記録・公開方法
AI Experiment Logが実験記録を保存・整理・検証・公開する共通方法。
このページでいう「記録・公開方法」は、個々のExperimentで何をどう測定・操作するかという実験手順ではありません。AI Experiment Log (AIEL) が、Experimentの記録をどのように保存・整理し、根拠の状態を区別して公開するかという共通方法を説明します。各Experiment固有の対象、条件、機材、操作、観測・測定、解析方法は、各Experimentの公開ページにある「実験方法」「実験ログ」等に記載します。
記録の基本
Canonical Experiment Record — 各Experimentには、言語に依存しない構造化記録であるCanonical Experiment Recordを設けます。原則として
experiment.jsonを使用し、そのExperimentの正本となる記録として扱います。元記録の保存 — 解析や公開に先立ち、確認できる範囲で、入力、環境、指示、操作、観測、エラー、失敗、生データなどの元記録を保存します。
Artifact Availability(生データ・ソースコードの保持・公開状態) — Experimentに関係する生データやソースコードなどのArtifactについて、保持状況と公開状況を別々に記録します。保持していないこと、保持しているが非公開であること、公開Artifactへの参照がないことを同じ意味として扱いません。プレースホルダーや空のデータファイルは、取得・保持された実験データとして扱いません。詳細な状態と公開ページでの表示方法はArtifact Availability(生データ・ソースコードの保持・公開状態)に共通定義をまとめています。
Evidence State(証拠状態) — 実験で得られた個々の情報について、直接観測されたものか、追加の根拠によって確認されたものか、観測から推論したものか、検証前の仮説か、検証によって支持されなかった説明かを区別して記録します。保持されているEvidenceでは答えられない重要な問いは、新たなEvidence Stateを設けず「未解決事項」として記録します。実施していない追加検証、管理・トレーサビリティ作業、Experimentの範囲外の項目は、それぞれ未解決事項と混同しません。詳細はEvidence State(証拠状態)に共通定義をまとめています。
Experiment Status(実験状況) — Experiment全体が現在どの段階・状態にあるかを記録します。個々の情報のEvidence Stateとは別に、Experiment全体のライフサイクルを示します。詳細はExperiment Status(実験状況)に共通定義をまとめています。
人とAIの役割 — AIは、保存されている記録の整理、Evidenceの区分、解析、英日文書化、構造化、公開候補の作成などを支援します。Experiment固有の操作・観測・確認等を人が実施した場合はAIによる処理と区別して記録し、AI・人・自動化の詳細な来歴はCanonical Experiment RecordのProvenanceに保持します。
AIは、実際には行っていない物理操作・観測・確認を実施済みとして記録しません。また、保存されているEvidenceにない情報を補って、実施・観測・確認された事実のように記録しません。後日の記憶や報告だけが根拠である場合は、その情報が何に基づくものかが分かる形で記録し、直接観測または検証された情報とは区別します。
公開ページでの表示
各Experimentの公開ページは、Canonical Experiment Recordと保存されているEvidenceを読者向けに整理して示したものです。このページでは、ページ全体を「各Experimentの公開ページ」と呼び、「実験ログ」はその本文内で実際に行ったことと観測したことを記録する一つのセクションを指します。日本語版と英語版は、同じCanonical Experiment Recordと、そのExperimentについて保存されているEvidenceを基に作成し、重要な事実・結論・未解決事項が食い違わないようにします。記録メタデータと共通の本文構成によって、Experimentの状態、実施内容、結果、その根拠を順に確認できるようにします。
記録メタデータの構成
記録メタデータは本文の要約ではなく、そのExperimentを識別し、状態、人が実施したこと、データ・コードの利用可能性、実験結果の検証時点を短時間で確認するための構造化された基本情報です。公開ページでは、次の項目を基本とします。
実験ID — Experimentを一意に識別するIDを示します。
実験状況 — Experiment Statusを日本語の表示ラベル「実験状況」として示します。
実験日または実験期間 — Experimentを実施した日、または複数日にわたる場合はその期間を示します。
人が実施したこと — Experiment内で人が実際に行った操作・観測・確認等を示します。
生データ — Artifact Availability(生データ・ソースコードの保持・公開状態)の共通分類に基づき、生データの保持状況と公開状況を組み合わせたラベルで示します。
ソースコード — Experimentで使用したソースコードについて、生データと同じArtifact Availabilityの共通分類に基づいて示します。
実験結果の最終検証日 — Canonical Experiment Recordの
last_verifiedを、公開ページでは「実験結果の最終検証日」と表示します。これは、そのExperimentの主要な実験結果または結論について、実験データの解析・再解析、保存されているEvidenceとの照合、新たな観測・測定、再試験などによって、最後に実質的な検証が行われた日です。例えば、数日間にわたってデータを取得し、その後まとめて解析して主要な結論を確認した場合は、その解析・検証日が実験結果の最終検証日になります。記事の作成・更新・公開日とは別の情報です。確認できる検証日がない場合は「記録なし」と表示します。
特記事項 — 通常の項目だけではExperiment固有の重要な条件を十分に伝えられない場合に限り、必要な補足を表示します。
本文の構成
正式な各Experimentの公開ページ本文は、Experiment間で読み比べやすくするため、概要、実験の背景、実験方法、実験ログ、結論、証拠区分のまとめ、機械可読な実験記録の7セクションを共通・必須とします。Experimentによって必要な場合は、未解決事項、運用上の示唆、実験データについて、再現に必要なもの、再現時の注意事項、情報源、関連実験も追加します。これらの条件付きセクションは、すべてのExperimentに一律に設けるものではありません。タイトル直下の短い要約文は一覧性のためのリードであり、本文の「概要」とは別のものです。
共通・必須セクションの役割は次のとおりです。
- 概要 — 問題や問い、方法の要点、主な結論、解釈に必要な重要な状態や制約を簡潔に示します。ページ構成やAIEL全体の記録方針そのものは、Experiment固有の理解に必要な場合を除き、概要には含めません。
- 実験の背景 — 何がきっかけで調査が必要になったのか、なぜそのExperimentを行い、何を明らかにしようとしたのかを示します。
- 実験方法 — どのようにExperimentを設計・実施したかを示します。対象、機材、環境、条件、観測・測定、データ取得、比較方法など、必要な項目を記載します。
- 実験ログ — 実際に行ったことと観測したことを、実施順や調査の流れに沿って記録します。必要な場合は、失敗した経路、否定的な結果、解釈や設定の変更も、その経過が分かる形で残します。
- 結論 — 実験ログと保存されているEvidenceに支持された主な結論を示します。
- 証拠区分のまとめ — Experimentの主要な結果・結論を理解するうえで重要な記録内容と、そのEvidence Stateを一覧で示します。単なるセットアップ操作や運用上の経緯は、それ自体が主要結果でない限り実験ログに残し、ここへ機械的に重複させません。まだ実動確認していない設計分岐や将来の試験項目は、肯定形の結果として表に載せず、その性質に応じて未解決事項、未実施の追加検証、範囲外の項目などとして区別します。表の基本列は「記録内容」と「Evidence State」で、必要に応じて根拠も示します。
- 機械可読な実験記録 — そのExperimentの公開Canonical Experiment Recordである
experiment.jsonを参照できるようにします。
条件付きセクションの役割は次のとおりです。
- 未解決事項 — 保存されているEvidenceでは答えられず、Experimentの結果や解釈に重要な問いを示します。必要に応じて、何を追加で観測・解析・確認すればその問いを解消できるかも示します。
- 運用上の示唆 — 保存されているEvidenceに支持された結論から、実際の運用、設計、監視、保守、判断などにどのような意味があるかを示します。
- 実験データについて — そのExperiment固有のデータ、コード、ログ、補助Artifactについて、保持状況、公開状況、後から再解析できる範囲、公開上の境界など、記録メタデータだけでは十分に伝えられない重要事項がある場合に示します。
- 再現に必要なもの — Experimentの方法を再現したり理解したりするために必要な機材、ソフトウェア、アクセス、環境、記録・診断能力などを示します。
- 再現時の注意事項 — 再現時に重要となる安全、権限、認証情報の取扱い、読み取り専用・制御操作の境界、異常系試験など、その方法に固有の注意点を示します。
- 情報源 — Experimentの理解や検証に重要な外部資料がある場合に、その参照先をまとめて示します。
- 関連実験 — 現在のExperimentと直接関係する公開済みExperimentがある場合に、その参照先を示します。